2019年02月19日

冬籠りの雪見露天、玉子湯


2019年1月某日

降り積もる雪と時代の中で

02玉子湯雪庭s☆DSC07524_edited-1.jpg03玉子湯客室雪眺めs☆DSC07515_edited-1.jpg42玉子湯湯小屋朝s☆DSC07891.jpg

 2019年冬。いよいよ春に迫った改元を控え、今年は気候もお祝いムードなのか暖冬のようだ。それでも、豪雪地帯として知られる高湯は雪見露天に事欠かない十分の量らしい。「高湯遊びの真骨頂は冬にある」と、賞賛されるこの季節は、筋金入りの “温泉通” がこの湯を目指してやってくる。
 高湯の中でも、その歴史と佇まいで愛される風呂が「玉子湯」(詳しくはこちらのブログを参照)の湯小屋だろう。平成最後の訪問となる今回、150年の時代を見つめてきた湯小屋で原初の温泉湯治に想いを馳せる旅も悪くない。
 空は時折、雪がちらつく “好天候”?(笑)。標高が上がるに従いその粒も細かさを増し、周囲の山林は梢の先までレース細工のように縁どられている。車窓に広がるひっそりと静かなその光景に「雪見日和ね」と連れが笑う。
 「玉子湯」に到着したのは夕方前。とはいえ、雪明かりのせいか辺りはほんのりと明るい。駐車場に車を停めたとたん、宿の方が「お荷物をお持ちします!」と走り寄ってくる。空は相変わらずの凍空。春の遠さを感じさせる細かな乾雪が思い出したように、時折ふわりふわりと舞い降りてくる。
 チェックインの後、案内された部屋は、客の到着に合わせ暖房がつけられ、すでに快適な室温状態だ。縁側の窓の外には絵画のように切り取られた山の雪景色が広がる。眼下には砂糖菓子のような、ぶ厚い雪に覆われた庭園に埋もれるように萱ぶき湯小屋がひっそりと佇んでいる。物語の世界のような無垢なその美しさに魅了され、早速、部屋に用意された浴衣に丹前を羽織り、その時代湯へと向かう。

05玉子湯湯小屋雪s☆DSC07541_edited-1.jpg06玉子湯湯小屋男夕s☆DSC02030_edited-1.jpg

09玉子湯天渓の湯s☆DSC07572_edited-1.jpg07玉子湯天渓の湯s☆DSC01936_edited-1.jpg10玉子湯天翔の湯s☆DSC07582_edited-1.jpg

11玉子湯雪道夕s☆DSC07576_edited-1.jpg13玉子湯湯小屋とホテル夕景s☆DSC02007_edited-1.jpg

物語の世界にひたる雪見4湯

 「玉子湯」の屋号は文字通り、ゆで玉子のようなにおいを持つ高湯温泉の硫黄泉から名付けられている。1868(明治元)年に建てられた同名の萱ぶき湯小屋「玉子湯」の築年数は150年。この地で最も古い建物であるとともに、長い歴史を誇る宿の希少な時代遺構でもある。
 湯小屋へは、濛々と湯気を上げて流れる須川に架かるちいさな橋を渡る。入口から左右で男女に分かれた内部は、脱衣所と浴槽が同じ空間にあるかつての湯治場の面影をそのまま残している。硫黄成分の強い高湯の温泉ガスを外へ逃すため、建物の天井部分にかけては柱や梁がむき出しとなった壁のない造りだ。この構造は高湯の他の内湯でもよく見られ、それだけこの地の湯の力強さを物語る証明でもある。
 訪れた時間帯は、誰もいない貸切状態。屋内のせいか、ここの湯はいつも穏やかで静か。そのぶん時間がゆったりと流れ、タイムスリップしたかのような不思議な感覚になる。濡れた木肌の風合い、風にカタカタとなる昔硝子。私の動きに合わせ湯船の底からふわりと舞い上がる白い湯花は、高湯の湯に見るもうひとつの雪景色だ。時折、天井の隙間から迷い込んだ粉雪がチクチクと肩を刺すのもまた愉快。それも、高湯で味わう冬の愛嬌だろう(笑)。
 湯小屋を出た外は、美しいスノードームの世界。ここから道を少し下った先には女性専用露天風呂「瀬音」が続き、その先には時間帯で男女入替えになる野天岩風呂「天渓の湯」「天翔の湯」もある。天候のせいか今日は道を行く人影もない。はだけた浴衣の襟元を手で押さえ、小雪が舞う中、小走り気味に露天風呂へと急ぐ。
 屋根があるとは言え、野天岩風呂の脱衣所は吹きさらしに近いワイルドな開放感(笑)。冷たい北風に意を決し潔く浴衣を脱ぎ捨て、急ぎ足でどぶん、と湯に身を沈める。いつのまにか辺りはすっかり日が落ち、石灯籠のオレンジの光が青白い雪を照らし出している。自然界がこの季節、人に授けた氷と熱の恵み。両極の贅を味わうこの情緒もまた、たまらない。
 本館へと戻る途中、融雪された通路を歩きながら深い雪に覆われた萱ぶき湯小屋の風情に思わず足が止まる。本館へと続くこの道は、かつて冬の農閑期、布団に味噌や米を担いだ人々が、湯治のために往来した高湯のメインストリートだったという。音もなくしんしんと降る雪に包まれ、かつてこの道に響いたであろう賑やかなざわめきに遠く想いを馳せる。

14玉子湯食事処s☆DSC02518_edited-1.jpg15玉子湯夕食s☆DSC02149_edited-1.jpg16玉子湯夕食s☆DSC02163_edited-1.jpg

19玉子湯夕食s☆DSC02206_edited-1.jpg18玉子湯夕食s☆DSC02192_edited-1.jpg17玉子湯夕食s☆DSC02195_edited-1.jpg20玉子湯夕食s☆DSC02238_edited-1.jpg

29玉子湯雪灯篭s☆DSC07591_edited-1.jpg21玉子湯湯小屋と雪庭s☆DSC02061_edited-1.jpg26玉子湯瀬音s☆DSC02433_edited-2.jpg

口福に出合える地の旬、地の酒

 本日の夕食は、部屋のすぐ目の前にある専用ダイニングで。会場にゆったりとレイアウトされたテーブル席には、すでに食事を楽しむ客の姿も幾つか見える。宿の献立は季節毎に変わる会席料理だ。卓上に置かれた品書きには、旬の河豚や鮟鱇、甘エビ、白子など気になる海鮮の名もズラリと並んでいる。「これはお燗、かな?」と、連れに相談すれば期待通りの二つ返事(笑)。福島県は近年、国際的な品評会でも高い評価を得ている日本屈指の酒処だ。宿では酒好きにうれしい“もっきり” スタイルで楽しめる地酒も豊富に取り揃えている。卓上で焼き上げる「海鮮陶板焼」と「国産豚すき鍋」の豪華な饗宴に、アツアツで運ばれてくる河豚と鮟鱇の「揚物」、「湯葉と蟹団子の吸い物」など、宿の料理はどれも酒がすすむ美味揃いだ。
 口福に満たされた食後は、再び外湯へ出向き、就寝前の締めのひと風呂!夜の帳がすっかり降りた屋外は漆黒の闇に包まれ、発光するように浮かび上がる雪景色が、一層迫力を増して迫ってくる。すでに雪は止み、仰いだ空にはくっきりと冴えた月が煌々と輝いている。月見と雪見。風流なそのご褒美に、再び“はしご湯”の欲張り長湯(笑) 。
 ちなみに女性専用の露天風呂「瀬音」はオープンエアの野天岩風呂と異なり、浴槽の半分を屋根が覆っているため、多少の雨や雪なら頭が濡れずに楽しめる。傍らには渓流と山林も近接。石灯篭が置かれた坪庭もある風流な佇まいは、こじんまりと落ち着いた雰囲気だ。

31玉子湯滝の湯s☆DSC07813_edited-1.jpg32玉子湯朝ご飯s☆DSC02481_edited-1.jpg36玉子湯湯小屋朝s☆DSC07660_edited-1.jpg39玉子湯湯道朝s☆DSC07770.jpg

40玉子湯源泉s☆DSC07884.jpg41玉子湯源泉s☆DSC07874.jpg43玉子湯湯小屋男朝s☆DSC02845.jpg

47玉子湯天渓の湯s☆DSC07709_edited-1.jpg53玉子湯瀬音朝s☆DSC02889_edited-1.jpg

57玉子湯雪落としs☆DSC02665_edited-1.jpg59玉子湯ラウンジs☆DSC07826_edited-1.jpg64玉子湯残照s☆DSC07758_edited-1.jpg

源泉かけ流しを支える熟達の技

 翌朝は昨夜の空模様が嘘のような冬晴れ。深い眠りにすっきりと目覚め、本館内にある大浴場「滝の湯」でまずは朝湯。ちなみに湯小屋を含む宿の“外湯”に洗い場はない。外湯はあくまでも、純粋に湯と景色を楽しむ風呂となっている。シャワーを使いたい場合は大浴場か、館内にもうひとつある内湯「仙気の湯」をご利用いただきたい。天候に左右される外湯(利用は6:00〜22:00)と異なり、館内の内湯は24時間いつでも利用可能だ。
 朝食には湯上りの体に優しい「野菜のセイロ蒸し」や「湯豆腐」など、体をいたわる味わいが並ぶ。日が高くなり、キラキラと硝子質の輝きを帯びてきた雪景色はすでに眩しい程だ。穏やかな今日の天候に、チェックアウトの時間ギリギリまでもう少し湯を楽しんでいくことにした。
 湯小屋のすぐ脇には高湯温泉の命とも言える源泉、 “高湯5番” を祀る祠が雪の中に見え隠れしている。自然湧出した高湯の源泉は、 “湯樋(ゆどい)”と「分湯箱(ぶんとうばこ)」と呼ばれる升型の箱で徐々に冷やされ、そこから各風呂へ続くパイプを経て湯口から浴槽に注がれる。宿の敷地内にはこの様子が間近で見学できる “高湯10番” (写真)の源泉がある(柵内立入禁止)。高湯が誇る「源泉かけ流し」とは文字通り、常に新鮮な湯が湯船に注がれていることに他ならないが、そこには自然の恵みに余計な手を加えない昔ながらの手法によって、季節や天候、さらに各浴槽の大きさによっても異なる湯の適温を随時、温度管理している “湯守(ゆもり)”の熟練の技が息づいている。
 ゆらりと漂う湯気に長い冬の朝陽しが射し込む湯小屋は、心地よさもひときわ。清涼な空気に包まれ「天翔の湯」から仰ぐ山の雪景色にも心洗われる。「天渓の湯」と「瀬音」を満喫した連れとともに、宿を出発するギリギリまで文字通りの湯三昧状態(笑)。
 折しも本日は、湯小屋の雪下ろしの日。1mを超える屋根の雪をどう落とすのか興味深々で立ち合えば、大人数人がかりで長いロープを屋根にかけ、萱ぶきを傷つけないよう慎重にロープを引き削り取るという大変な労力!客にとっては情緒たっぷりの雪景色とはいえ、作業される宿の方々のご苦労が偲ばれる。
 ちなみに「玉子湯」の館内には高湯の中でも唯一、高湯の希少な歴史資料を展示したギャラリーもある。興味のある方はぜひ、覗いてみていただきたい。

68貴福茶屋s☆DSC07910_edited-1.jpg67貴福茶屋s☆DSC02959_edited-1.jpg66貴福茶屋s☆DSC02990_edited-1.jpg

 温泉街から県道70号線を麓まで下り、最初の信号を左折し車を走らせること約10分。帰りに立ち寄ったのは地元でも評判の蕎麦処「貴福茶屋」。以前から気になっていた店だが、これまで売切れや定休日で縁がなく念願の初来店だ。
 店内は木の温もりあふれる明るい雰囲気。早速、おすすめの「黄金そば」(1,300円・天婦羅付)と「鴨ざるそば」(1,550円)を注文。敷地の地下50mから汲み上げた “地下深層水” と会津産の玄蕎麦(殻付ソバの実)を自家製粉した十割蕎麦は、上品な透明感が目を引く。口に含めばなるほど香り高く、コシも強めで歯切れの良い贅沢な味わいだ。店ではこだわりの “綿実油(めんじつゆ)” (綿の実から搾った油)でサクッと揚げる肉厚な茨城県産の原木しいたけをはじめ、東京の千寿ネギなど、ブランド食材による天婦羅も人気で、常連も多いらしい。メニューには「イベリコ豚の肉そば」(1,000円)の名も見え、素材選びに妥協しない店主の思い入れが伝わってくる。
 店を後に車を走らせる道には驚く程に雪がなく、さっきまでの豪雪が嘘のようだ。そういえば近年、冬に日本を訪れる外国人観光客の目当てのひとつがこの「雪」だという。意外だが、実は日本は年間降雪量が数mに達する人口30万人以上の都市が、国内に幾つもある世界的な豪雪地帯でもある。日本人が「雪」に独特の美意識を抱くのは、ごく当然のことなのかもしれない。その先人の感性が育んだ雪の美しい名のひとつに「瑞花(ずいか)」がある。豊年の兆しとなるめでたい花、という意味だ。新たな時代の幕開けとなる改元の年。にっぽんに幸あれ、と大地を祝す高湯の瑞花は、今冬もまさに満開だ。



■旅館「玉子湯」

〒960-2261
福島県福島市町庭坂字高湯7
TEL/024-591-1171
http://www.tamagoyu.net/
チェックイン 15:00 ・チェックアウト 〜10:00
日帰り入浴/10:00〜14:00(最終受付13:00) 700円
※定休日/水曜日
[入浴時間]
露天風呂と湯小屋「玉子湯」は6:00〜22:00
大浴場「滝の湯」と内湯「仙気の湯」は0:00〜24:00
[温泉の利用形態]
天然温泉・源泉100%。完全放流式、加水なし、加温なし
[アメニティ]
大浴場と内湯/シャンプー、リンス、ボディーソープ、石鹸、ドライヤー等

[交通のご案内]
■東北自動車道
福島西I.Cから国道115号線〜県道5号線16km(約30分)
■福島交通路線バス
JR福島駅西口から「高湯温泉」行・「玉子湯前」下車(約40分)
※福島駅西口まで送迎いたします(要予約)
【お迎え】午後3時15分/【お送り】午前10時30分



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2019年02月18日

Reliving the Past Amid Thick Blankets of Snowfall

January,2019

Reliving the Past Amid Thick Blankets of Snowfall

02玉子湯雪庭s☆DSC07524_edited-1.jpg03玉子湯客室雪眺めs☆DSC07515_edited-1.jpg42玉子湯湯小屋朝s☆DSC07891.jpg

It is winter 2019. Spring is coming thereafter, when we will finally learn the name of Japan's next imperial era. I don't know if it's the weather or the celebratory mood in the air, but this winter seems to be a mild one. Even so, Takayu, an area known for its heavy snowfall, has plenty of snow to make for a fantastic landscape of white to view from an open-air bath. They say the best time to enjoy Takayu is the winter, so it is in this esteemed season that serious hot spring connoisseurs head for these baths.
Among the ranks of Takayu's inns, the bathhouse at Tamagoyu is particularly beloved for its history and character. On this last visit during the reign of the Heisei Emperor, I thought it might be nice to take a journey exploring the idea of the original Japanese hot spring therapy here at this bathhouse that has witnessed 150 of history.
Every now and again, snow flits through the sky. Perhaps it's an auspicious sign of favorable weather...for my purposes, anyhow. As I climb to higher elevations, the snowflakes become finer, and the green of the trees in the surrounding mountain woods seems decorated in lacework up to their tippy tops. The still and silent spectacle unfolding beyond the car's windows brings a smile to my companion and I, as we know this is fine weather for taking in a snowy landscape.It was evening when we arrived at Tamagoyu. Yet it seemed bright, perhaps because of the sheen from the snow or some other surrounding glow. When the car stopped in the parking lot, a porter from the inn hurried out to come take my luggage. The sky looked just as frozen as ever. As if to remind us that spring is still far away, fine, dry snow occasionally floated gently down.
After checking in, we were taken to our room. The heater was already on when we got there, heating the space to a comfortably warm temperature. I could see the snowy mountain landscape, seemingly framed in the veranda window like a painting. Down below the window outside I could spot the secluded, quiet thatch-roofed bathhouse. Seemingly buried in a garden covered in a thick blanket of snow, it looked like some kind of candy creation. Mesmerized by the pure beauty, like something out of a story, I swiftly donned the thick "yukata," a kind of cotton kimono, laid out for me in our room, and scampered over to the historic baths.

05玉子湯湯小屋雪s☆DSC07541_edited-1.jpg06玉子湯湯小屋男夕s☆DSC02030_edited-1.jpg

09玉子湯天渓の湯s☆DSC07572_edited-1.jpg07玉子湯天渓の湯s☆DSC01936_edited-1.jpg10玉子湯天翔の湯s☆DSC07582_edited-1.jpg

11玉子湯雪道夕s☆DSC07576_edited-1.jpg13玉子湯湯小屋とホテル夕景s☆DSC02007_edited-1.jpg

Four Baths for Viewing the Snow in a Magical Setting

The name Tamagoyu literally means "egg bath." There is, of course, a reason for this. It was given this name from the scent of sulfur at Takayu's hot springs, which reminds one of boiled eggs. The thatch-roofed bathhouse built here in 1868,over 150 years ago, was named Tamagoyu. Being the oldest structure in the area today, it is a rare relic that has witnessed the long history of the inn here.
To reach the bathhouse, you cross a small bridge straddling a stream from which thick plumes of steam rise up. At the entrance you go left or right, depending on whether you're entering the men's or women's bath. Inside, you'll find that the changing area and the bath occupy the same space, just like in the old days of hot spring therapy. The hot spring's waters have a high sulfur content, so to let the gases escape outside, the structure contains no walls high up around the ceiling, where the pillars and beams protrude outside the building. This construction is a common site at other indoor baths in Takayu, providing testament to the influence this bathhouse has had on the local baths.
The time I went I reserved a private bathing session all to myself. Perhaps because it's indoors, this bath always seems gentle and quiet to me. As time slowly passes, I get the mysterious sense that I have jumped backward in time. The texture of wet tree bark and the wind rattling the old glass windows... Following my movements, white flowers of milky water swirl up from the bottom of the bath. Metaphorically, it's another snowy landscape to see at Takayu's baths. At times, lost snowflakes flutter in through the gap in the ceiling and pleasantly stick to my shoulders. This is yet another way to savor winter in Takayu.
Exiting the bathhouse felt like stepping into a giant snow globe. Down the path a little way is Seoto, an open-air bath for women only. Beyond there I came upon Tenkei-no-Yu and Tensho-no-Yu, a couple of open-air baths located in a more wild, natural setting. Each one alternates between men's and women's bathing. It might have been the weather, but I didn't see anybody else walking the paths. I held the front of my yukata closed with my hand as I hurried over to an open-air bath, scurrying amid the light snowfall.
Although the changing area does have a roof, at this more outdoorsy type of open-air bath, it has a wilder atmosphere, such that you almost feel completely exposed to the wind! I removed my yukata, albeit gracefully, with a resolute determination in the cold northern breeze, then rushed over to plunge myself into the bath where I soaked my body. I lost track of time, but at some point the sun had set and the stone lantern was emitting an orange radiance that shone on the bluish-white snow. In this season, nature's gifts to humankind are ice and warmth. I never tire of the feeling I get from simultaneously experiencing the luxury of these polar opposites. 
On my way back to the inn's main building, I couldn't help but stop in my tracks along the path littered with melted snow as I came to the quaint thatch-roofed bathhouse covered in a thick layer of snow. Apparently, this path back that runs on to the main building was once the main street in Takayu, where farmers working in the off-season traveled back and forth carrying futons, miso paste, rice and other goods for visitors engaged in a round of hot spring therapy. Encircled by the quietly falling snow, I imagined the far-off voices of the folks who used to bustle about along this path.

14玉子湯食事処s☆DSC02518_edited-1.jpg15玉子湯夕食s☆DSC02149_edited-1.jpg16玉子湯夕食s☆DSC02163_edited-1.jpg

19玉子湯夕食s☆DSC02206_edited-1.jpg18玉子湯夕食s☆DSC02192_edited-1.jpg17玉子湯夕食s☆DSC02195_edited-1.jpg20玉子湯夕食s☆DSC02238_edited-1.jpg

29玉子湯雪灯篭s☆DSC07591_edited-1.jpg21玉子湯湯小屋と雪庭s☆DSC02061_edited-1.jpg26玉子湯瀬音s☆DSC02433_edited-2.jpg

Seasonal Foods and Sake Deliver Delicious Bliss

Dinner on this night was served in the dining hall I could see from our room nearby. I could already spot several guests enjoying their meals at the spaciously arranged tables. The menu offers a "kaiseki ryori" course that changes with each season. The items lined up at our table included blowfish, anglerfish, deep-water shrimp, soft roe and other delectable seafood. I shared with my companion my suspicions that one container contained warm sake... I was right! As it turns out, Fukushima Prefecture has become a leading sake-producing region of Japan, winning high accolades at international sake competitions. The inn has a large stock of local sake brews you can imbibe the "mokkiri" way, a style loved by sake enthusiasts by which a glass filled to the brim is placed in a little wooden box to catch any overflow and prevent any sake from being wasted. Along with a gorgeous feast of seafood cooked in a ceramic bowl ("tobanyaki") and Japanese pig sukinabe (similar to the more familiar sukiyaki) prepared right at our table, we were served with fried blowfish and anglerfish, sizzling as it was brought to us, a Japanese soup of soy milk skin and crab dumplings, plus more. No matter what the inn serves, it all goes wonderfully with sake.
After a satisfying delicious meal, I headed once again for the outdoor baths for one last dip before the night's slumber. Outside was completely covered in the veil of darkness. Surrounded by the pitch-black night, the snowy surroundings that seemed to glow as they floated in the black void instilled in me a burst of new energy. The snow had stopped falling and the bright moon was shining brilliantly in sharp relief from its lofty seat up in the heavens. Viewing the moon and snow was an elegant treat, and in addition to it, I felt the avaricious desire for another long soak in the so-called "ladder bath".By the way, one of the open-air baths available at Tamagoyu is Seoto, which is for women only. Unlike the open-air bath in the wild, natural surroundings I visited earlier, Seoto is designed more specifically for the particular needs of women. As half the tub is covered with a roof, you can enjoy your dip without your head getting wet from light rain or snow. Next to Seoto is a mountain stream and the alpine woods in close proximity. There is also a small courtyard garden with a stone lantern. The still setting has a snug, relaxing atmosphere.

31玉子湯滝の湯s☆DSC07813_edited-1.jpg32玉子湯朝ご飯s☆DSC02481_edited-1.jpg36玉子湯湯小屋朝s☆DSC07660_edited-1.jpg39玉子湯湯道朝s☆DSC07770.jpg

40玉子湯源泉s☆DSC07884.jpg41玉子湯源泉s☆DSC07874.jpg43玉子湯湯小屋男朝s☆DSC02845.jpg

47玉子湯天渓の湯s☆DSC07709_edited-1.jpg53玉子湯瀬音朝s☆DSC02889_edited-1.jpg

57玉子湯雪落としs☆DSC02665_edited-1.jpg59玉子湯ラウンジs☆DSC07826_edited-1.jpg64玉子湯残照s☆DSC07758_edited-1.jpg

Free-Flowing Hot Spring Water Maintained by Master Technicians

The next morning, the sky was so clear that I thought I had imagined the weather from the night before. After awakening from a deep sleep, I headed first for my morning dip at Taki-no-Yu, the main building's communal bath. Incidentally, the inn's outdoor baths, including the bathhouse, do not have washing areas for soap and shampoo. This is because these outside bathing spots are for nothing more than simply enjoying being in the water and taking in the scenery. If you want to use a shower, you'll have to go to the communal bath or Senki-no-Yu, the main building's other indoor bath. Unlike the outdoor baths that are open from 6 a.m. to 10 p.m. but may be closed due to the weather, the main building's indoor baths are available anytime, 24 hours a day.
For breakfast, the options included several items that are nice for a body that's just climbed out of the bath, including vegetables steamed on a bamboo steamer and boiled tofu. As the sun rose, the snow-white land had already taken on a bright appearance as the snow sparkled and glittered like glass. On a day with such fair weather, I decided to get in as much bathing as I could until the last second before check-out.
Just beside the bathhouse, enshrined within a wooden structure, I could catch glimpses through the snow of number five on the list of hot springs that bring life to Takayu Onsen. The natural spring water welling up at Takayu is gradually cooled in wooden boxes called a "yudoi" (meaning "hot water sluice") or "buntobako" (meaning "water-separating box"). From these locations, the water travels through pipes and pours out the taps at the baths into the tubs. On Tamagoyu's property, you can get a close look at hot spring source number 10 (see photo). No entry allowed beyond the barrier fence, though. The people of Takayu are proud of their free-flowing hot spring water, and you can see why here. Although nowhere else has fresh water constantly pouring into its baths like Takayu, it is a natural blessing that has been on offer for a very long time, with no human intervention. Thanks to this gift, no matter the season or weather, the "yumori," the people who maintain the baths, can apply their skills to constantly keep baths large and small at a proper temperature for bathers.
When the long rays of the winter sun in the morning pierce the steam leisurely wafting through the air, the bathhouse is a particularly soothing place to be. Taking in the snow-covered mountain terrain from Tensho-no-Yu, surrounded by the fresh, crisp air of the sky, will take your heart away. After also getting our fill at Tenkei-no-Yu and Seoto, my companion and I were in a perfect spiritual state of bathing bliss right up until just before our departure.In a related development, today is the day they remove the snow from the bathhouse. I was fascinated to learn how they take over a meter of snow from the roof. A few adults drape a long rope over the roof, then carefully pull it so as not to damage the thatching, but with tremendous effort. The rope thus pulls off the snow. When visitors come at this time, what they tend to remember is the inn staff at work more than the moving sight of snowy scenery.
Also, one neat fact about the main building is that it has a gallery of rare historical materials about Takayu. Tamagoyu is the only inn in Takayu with such a facility. If that sort of thing piques your interest, you should definitely go give it a look.

68貴福茶屋s☆DSC07910_edited-1.jpg67貴福茶屋s☆DSC02959_edited-1.jpg66貴福茶屋s☆DSC02990_edited-1.jpg

We took Prefectural Road No. 70 from the hot spring resort down to the foot of the mountain, turned left at the first light and then drove for about 10 minutes. On our return journey we stopped by a locally popular soba (buckwheat noodle) restaurant, Kifukuchaya. I'd always wanted to come here, but this was the first time I actually could because they were always either sold out or taking a day off when I happened by before.
Inside, the restaurant has a cheery ambience complemented by the abundant warmth of the wooden interior. We quickly ordered a couple recommended dishes: the Ogon Soba ("Golden Soba": 1,300 yen, with tempura) and the Kamo Zarusoba (chilled soba and dipping sauce served on a strainer with duck: 1,550 yen). One thing that caught our eye was the fine transparent quality of the home-made soba with no "tsunagi" wheat-based flour added. It is made from unpolished soba from the Aizu region of western Fukushima Prefecture and deep well water drawn up from a depth of 50 meters below the property. The more you fill your mouth, the more intense the aroma. The noodles are also very chewy to give them a nice texture along with the fabulous flavor. Another popular offering is the tempura, which is made from brand-name vegetables such as true shiitake mushrooms from Ibaraki that are thick and crispy, and Senju green onions from Tokyo. Kifukuchaya adds an original twist by flavoring the tempura with cottonseed oil. Apparently, many regular customers come for the tempura. Another menu item that stands out is the Black Iberian Pig Meat Soba (1,000 yen). The name shows that when it comes to selecting ingredients, the restaurant's owner does not compromise.
 When we hit the road again after leaving the restaurant, I was astonished at how little snow there was. It was like the thick snowfall only a little while earlier had been a dream. Speaking of, in the past few years, foreign tourists visiting Japan in the winter have been coming for this snow. It came as a surprise to me when I learned that Japan has several cities with a population of at least 300,000 and several meters of annual snowfall, and that our country has world-class snowy areas. Maybe it's no wonder that the Japanese have their own aesthetic sense when it comes to snow. One name our ancestors gave to this beautiful snow that stirred their sensitives was "zuika," which means "auspicious flower indicating a year of plenty." In this year that will raise the curtain on a new era, the zuika is in full bloom again this winter in Takayu, where we wish good fortune for Japan and celebrate this great land.



posted by yusanjin at 16:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月06日

初冬の湯三昧・安達屋、花月ハイランドホテル、玉子湯

2018年11月某日

いざ、湯煙が誘う冬の高湯遊びへ

01安達屋不動の湯★DSC00602.JPG29安達屋薬師の湯一の湯s★DSC07101.jpg

 紅葉も過ぎ、高湯に本格的な冬の足音が聞こえ始めた11月下旬。静けさを取り戻した温泉街の情緒を求め、高湯の開湯を見つめてきた創業400年の老舗宿「安達屋」(詳しくはこちらのブログを参照)を再訪。
 「安達屋」と言えば圧巻の大露天風呂が人気だが、椿のステンドグラスや石像の湯口が昭和レトロな男性大浴場「不動の湯」も、捨てがたい魅力がある。平成最期の冬となる今冬、変容する時代へ想いを馳せる旅に、これ以上に似合う風呂もないかもしれない。

09安達屋古写真s★DSC00545.jpg06安達屋s★DSC00112.jpg10安達屋ラウンジイメージs★DSC07034.jpg

04安達屋客室2Bs★DSC00548.jpg02安達屋不動の湯s★DSC00609.jpg08薬師の湯一の湯s★DSC00144.jpg

 今回お願いした客室は、いつもと少し趣向を変えた畳にベッドの和洋室。腰壁に施された洋風の壁紙や、カーブを描いた下がり壁が洒落た雰囲気だ。古き良き湯治場の面影が今なお残る高湯で、伝統的な和のリゾートウェアの浴衣でごろん、とベッドに寝転ぶ愉快(笑)。むろん、宿には丁寧な清掃としつらいで快適さを整えた昔ながらの和室もある。気分や予算に合わせた過ごし方で楽しんでいただきたい。
 冬至へと向かうこの季節。夕方も4時をまわればぐっと冷えてくる。辺りにまだ目立った積雪はないものの、手招きする露天風呂の湯煙に負け早速、貸切風呂の湯浴みへ(笑)。
 贅沢な広さと風情を誇る「安達屋」の貸切露天風呂「薬師の湯(一の湯・ニの湯)」は夜10時までは要予約(1組50分・無料)。フロントに申告すれば鍵を貸してくれる。それ以降の深夜12時まで、また朝の5〜7時は一般開放され、宿泊客なら自由に楽しめる。ちなみに光の移り変わりが楽しめる日没前後は、個人的にイチ押しのおすすめタイムだ。

17安達屋夕食s★DSC00248.jpg18安達屋夕食s★DSC00293.jpg20安達屋夕食★DSC00328.jpg21安達屋夕食s★DSC00341.jpg

もてなし上手な老舗湯宿の美味旬菜

 個室タイプのテーブル席が並ぶ「囲炉裏の間」でいただく夕食は、多くの常連がこの宿を選ぶ理由のひとつとなっている。季節毎に内容が変わるメニューは会席料理にプラス、目の前で炙り上げる炉端焼きがセットになった楽しい趣向。後出し料理にはサプライズな洋皿料理もある(本日は海鮮素材とホワイトソースの「林檎釜焼き」)。すりおろした自然薯を冬の淡雪に見立てた「自然薯鍋」は、客のリクエストでこの季節の定番となった名物料理だ。上品な出汁を吸い込んだふわふわの食感は一度味わえば、癖になる美味。工夫を凝らした仕立てと味わいに、今夜もついつい浴衣の帯を緩めることに(笑)。
 ちなみに食事の最後を飾るデザートは、ラウンジに移動して楽しむのが「安達屋」流。満腹の腹を抱えながら、甘美な手作りのクリームブリュレの味に連れも私も無防備の破顔(笑)。ラウンジには自由に楽しめるコーヒーや紅茶、ハーブティー等のドリンクサービスもある。静かなJAZZのBGMの中、アンティークなロッキングチェアに身を任せ、のんびり楽しむ夜長の談笑も、贅沢な冬のひとときだろう。

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32安達屋姫の湯s★DSC00563.jpg31安達屋s★DSC07276.jpg36安達屋朝食おでんs★DSC00505.jpg35安達屋朝食s★DSC00516.jpg

40安達屋ダイニング暖炉s★DSC00543.jpg41安達屋大気の湯s★DSC00620.jpg45安達屋大気の湯お掃除s★DSC07304.jpg

極まる贅沢、源泉かけ流しの大露天風呂

 部屋で食休みした後、向かった大露天風呂「大気の湯」は、夜の陰影に縁どられた幻想世界。宿が誇るこの風呂は、夜9時以降は混浴タイムだ(夕方6時〜夜9時は女性専用)。女性はタオルを巻いての入浴も可能。もちろん、混浴に抵抗ある方のために女性大浴場「姫の湯」には敷地内に別途、女性専用の露天風呂もあるのでご安心を。
 開放感満点の「大気の湯」の奥行きは何と約30m。自然湧出した源泉をそのまま引湯した「源泉かけ流し」をうたう高湯温泉で、これほどの広さの風呂を持つのは相当難しい。「大気の湯」では常に入浴に適した湯温を維持するため、あちこちから源泉が注ぎ込まれ、この広さにして新鮮な湯が楽しめる。広大な湯船の一角には寝湯や打たせ湯をはじめ、ユニークな洞窟風呂も配され、贅沢な湯遊びが堪能できる。ただひとつ、注意事項としては、乳白色の高湯の湯は湯船の底がまったく見えない。湯の中を歩く際は慎重な足運びを心していただきたい。
 就寝前には、自由開放となった貸切露天風呂「薬師の湯」へ再び出向き、欲張りな“はしご湯”(一の湯・ニの湯)を堪能。ちなみに、宿にはこの他にも大人2、3人の利用に丁度いいコンパクトな貸切内湯もある。利用はもちろん無料。希望の際はフロントへ申告を。
 翌朝、独り占めの長湯を満喫した連れと向かった朝食は、福島の郷土料理をはじめ、中華やパスタ、自家製パンにプチケーキなどなど、目移りする20種類程の手作りメニューがズラリを並ぶ豪華さ。専用のダイニングでいただく「安達屋」の朝食は、気軽に楽しめるバイキングスタイル。今朝のメニューには、宿酔の腹にやさしい「朝おでん」もある!あかあかと燃える薪ストーブにアンティーク家具、宿主の趣味を感じる古書が迎える朝食会場は、落ち着いたシックな雰囲気で、朝からほっこりと幸せな気分になれる。
 チェックアウト前には、再び「大気の湯」で名残のひと風呂(この時間は混浴タイム)。やわらかな木漏れ陽が降り注ぐ初冬の大露天風呂は、空の青さを映したような輝きをまとい、その美しさと温もりにうっとりと癒される。
 ちょうど名物風呂の清掃日でもあったこの日。宿の方にお願いして見学させていただけば、冬空の下、熟練の作業員の方が額に汗しながら慣れた手つきで巨大な浴槽を黙々と磨き上げていた。400年続く高湯の温泉情緒は、こうした人々の手仕事の結晶でもある。

45花月HH空中露天杜の湯s★DSC07357.jpg48花月HH貸切露天ひめさ湯りs★DSC00763.jpg50花月HH貸切露天ひめさ湯りs★DSC00712.jpg

眺めに憩う眺望絶佳の天空の宿

 穏やかな冬晴れ。連れと相談のうえ、今日は急きょ日帰り入浴も楽しんで帰ることに。「安達屋」のすぐ目の前には県内外から人々が訪れる人気の共同浴場「あったか湯」(詳しくはこちらを参照)もあるが、この日、向かったのは温泉街の最奥にある「花月ハイランドホテル」(詳しくはこちらのブログを参照)。ここはこじんまりとした宿が並ぶ高湯温泉街で異彩を放つ、大規模な近代的ホテルだ。宿の自慢は何といっても、高台ならではの素晴らしい眺望にある。
 入浴料は大人700円(小学生以下350円)。入口の券売機でチケットを購入し、フロントで手続きを済ませ早速、露天風呂へ。大浴場とは異なる場所に独立して造られた露天風呂からは、重なり合う吾妻山の尾根が見渡せる。山肌が色づく紅葉の季節なら、ここから極彩色の景色が一望だ。もちろん「花月ハイランドホテル」の湯の楽しみはこれだけではないい。宿にはちょっとした小宿の大浴場程の広さと凝った造りを持つ2つの貸切風呂「ひめさ湯り」(有料1620円・50分)もある。風呂はいずれも屋根付きの半露天で、清々しい開放感!目の前には、四季折々に豊かな表情を見せる吾妻の山並みが広がる。
 高湯の中でも随一の見晴らしを誇る「花月ハイランドホテル」は、四季折々の大パノラマとともに、朝は山肌を染め上げる光の舞台を、夜は漆黒に浮かぶロマンチックな福島市街の夜景を、そして運がよければ雲海劇場にも会えるラグジュアリーな天空の宿だ。

52胡々里庵s★DSC07398.jpg54胡々里庵s★DSC00973.jpg56胡々里庵駐車場よりs★DSC00984.jpg

 ところで初冬の高湯を訪れるなら、ぜひ味わいたいのがこの季節ならではの香り高い“新蕎麦”。麓周辺には蕎麦の名店も点在し、例年11月頃からは道沿いで“新蕎麦”と書かれた幟が立ち並ぶ。今回訪れた「胡々里庵」もその中のひとつ。注文した「ミニ野菜天せいろ」(1050円)で楽しんだ蕎麦は、会津産の蕎麦粉を使い9:1で打ったものだという。細めだがコシのある蕎麦は、つるりとした喉越しだ。つけ汁は鰹節と昆布でこしらえた私好みのやや辛め。一緒に添えられた辛味大根おろしの清涼な風味が湯上りの体に染み渡る。高湯の湯を想わせる乳白色の“そば湯”は、驚きのトロリとした濃厚さだった(笑)。小高い場所に建つ店の駐車場からは、眼下に福島市街の景色も楽しめる。硝子のように硬質な透明感をまとった初冬の空は、どこまでも清々しい胸のすく景色だった。

58玉子湯s★DSC06952.jpg60玉子湯藁葺湯小屋男s☆DSC01483.jpg61玉子湯藁葺湯小屋男s★DSC09993.jpg

59玉子湯s★DSC07025.jpg57玉子湯s★DSC00101.jpg63玉子湯s★DSC06951.jpg62玉子湯露天天祥の湯s★DSC09760.jpg

高湯の歴史を紡ぐ鄙の時代湯にて

 せっかちな冬の日の短さに急き立てられながら、食後は再び山を昇り最後の目的地「玉子湯」(詳しくはこちらのブログを参照)へ。夕暮れの気配に刻々と白さを増す湯煙が描く景色は、見る者の郷愁を誘う。
 宿の屋号にもなっている萱葺きの湯小屋「玉子湯」の創業は1872(明治元)年。内部は創建当時の面影そのままに、脱衣場と浴槽が同じ空間にある簡素な造り。これは粗野か、はたまた贅沢か。時代の忘れ形見のようなこの湯に身を浸せば、温泉への原初の記憶が私にそう問いかけてくる。建物のすぐ傍らには、湯気を上げて流れる温泉水の川も寄り添い、昔と変わらぬ景色をうたっている。春には川に架かる橋のたもとに八重桜が咲き誇り、一帯は絵画さながらの夢のような景色になる。
 湯小屋のすぐ脇には高湯温泉の生命線とも言うべき自噴源泉、玉子湯(高湯5番)が祀られた祠の姿も見える。ここから湧き出す透明な湯が空気に触れ、あの白濁の色になるのだと言う。高湯に暮らす人々にとって源泉はまさに、吾妻の大自然から託された神聖な“預かり物”であり、神そのものだと言えるかもしれない。
 湯小屋と並ぶ露天風呂「天翔の湯」も、ガレ場を思わせる巨石の石積みが周囲の景色と調和する野趣満点の岩風呂だ。目前に迫る山の景色と一体になって寛げる開放感は、もうひとつの名物風呂として同じく温泉ファンに愛されている。

64吾妻屋風楽貸切露天s★DSC00894.jpg66吾妻屋露天山翠s★DSC00917.jpg68吾妻屋内湯古霞吾妻山彫刻s★DSC07374.jpg

 ちなみに高湯の歴史において「安達屋」、「玉子湯」と並ぶ老舗が創業140年の「吾妻屋」(詳しくはこちらのブログを参照)。客室数わずか10室に対し、内湯と外湯を含め計8つの風呂がある「吾妻屋」は、宿泊客の寛ぎに徹することを信条に、日帰り利用は受け付けていない。山の斜面に建つ広大な敷地の奥、自然林をずんずん登った先にある岩露天風呂「山翠」は、山懐にそのまま湯が湧き出たようなワイルドさ。高湯の湯の本領をどっぷりと満喫したいならぜひ、おすすめだ。宿にはこの他にも、先ごろお色直しをした趣異なる3つの貸切小露天「風楽」や、男女および貸切専用(要予約)の内湯「古霞」もある。外湯の利用は空いていれば無料で自由に楽しめ、利用時間も“ 夜明けから日没まで ”と風流なルールだ( 内湯は24時間利用可能 )。「古霞」の風呂のひとつには、丸太の芯を豪快にくり抜いた湯口に、遊び心あふれる“吾妻山”のレリーフも隠れている。来訪の際は探して見てはいかがだろう(笑)。
 ワイルドで繊細な日本の温泉文化を教えてくれる高湯温泉は、四季折々に秘湯ファンの心を捉えて離さない山懐の湯郷だ。時代の波に封印された “暮らしの湯” の原風景を、そのままとどめた姿は、年を経るごとに輝きを増す園生のような魅力にあふれている。
 まもなく訪れる豪雪の冬。高湯遊びの真骨頂は、まさにこれからが本番だ(笑)。



■四季を彩るいこいの宿「安達屋」

〒960-2261
福島県福島市町庭坂字高湯21
TEL/024-591-1155
http://www.adachiya.jp/
チェックイン 14:00 ・チェックアウト 〜11:00
日帰り入浴/10:00〜13:00 700円
[入浴時間]
ご婦人内湯「姫の湯」
殿方内湯「不動の湯」
大露天風呂「大気の湯」(※18:00〜21:00は女性専用)
貸切露天風呂「薬師の湯」〈一の湯・二の湯〉(要予約)6:00〜24:00
貸切風呂「ひめさ湯り」(要予約)7:00〜21:00(※22:00〜6:00はフリー)
[温泉の利用形態]
天然温泉・源泉100%。完全放流式、加水なし、加温なし
(※「薬師の湯」は季節により加熱水を給湯)
[アメニティ]
大浴場と内湯/シャンプー、リンス、ボディーソープ、石鹸、ドライヤー等
[交通のご案内]
■東北自動車道
福島西I.Cから国道115号線〜県道5号線16km(約30分)
■福島交通路線バス
JR福島駅西口から「高湯温泉」行・「高湯前」下車(約40分)
※福島駅西口まで送迎いたします(要予約)
【お迎え】午後3時/【お送り】午前11時


■天空の宿「花月ハイランドホテル」 

〒960-2261
福島県福島市町庭坂字神の森1-20
TEL/024-591-1115 
http://www.kagetsu.net/
チェックイン 15:00 ・チェックアウト 〜10:00
日帰り入浴/10:30〜22:00 700円
※入浴回数券7,000円(11枚綴り)あり
[温泉の利用形態]
天然温泉・源泉100%。完全放流式、加水なし、加温なし
[アメニティ]
大浴場と内湯/シャンプー、リンス、ボディーソープ、石鹸、ドライヤー等
[交通のご案内]
■東北自動車道
福島西I.Cから国道115号線〜県道5号線16km(約30分)
■福島交通路線バス
JR福島駅西口から「高湯温泉」行・「ハイランド前」下車(約40分) 徒歩約2分
※福島駅西口まで送迎いたします(要予約)
【お迎え】午後3時/【お送り】午前10時30分
★紅葉の名所として名高い磐梯吾妻スカイラインのスタート地点まで車で約1分。
高湯温泉から土湯峠へ吾妻の山並みを縫う雄大なパノラマコースは必見です。
<例年11月中旬〜翌4月中旬まで冬季閉鎖>
※通行料は恒久的に無料化されました

※2018年9月15日(土)13時に吾妻山の噴火警戒レベルが「2」に引き上がりました。これに伴い、磐梯吾妻スカイラインは現在、全面通行止め、浄土平周辺(大穴火口から概ね1,500m以内)のへの立ち入りは禁止となりましたのでご注意ください。
詳しくはこちら



■旅館「玉子湯」

〒960-2261
福島県福島市町庭坂字高湯7
TEL/024-591-1171
http://www.tamagoyu.net/
チェックイン 15:00 ・チェックアウト 〜10:00
日帰り入浴/10:00〜14:00(最終受付13:00) 700円
※定休日/水曜日
[入浴時間]
露天風呂と湯小屋「玉子湯」は6:00〜22:00
大浴場「滝の湯」と内湯「仙気の湯」は0:00〜24:00
[温泉の利用形態]
天然温泉・源泉100%。完全放流式、加水なし、加温なし
[アメニティ]
大浴場と内湯/シャンプー、リンス、ボディーソープ、石鹸、ドライヤー等

[交通のご案内]
■東北自動車道
福島西I.Cから国道115号線〜県道5号線16km(約30分)
■福島交通路線バス
JR福島駅西口から「高湯温泉」行・「玉子湯前」下車(約40分)
※福島駅西口まで送迎いたします(要予約)
【お迎え】午後3時15分/【お送り】午前10時30分



■今昔ゆかしき宿「吾妻屋」

〒960-2261
福島県福島市町庭坂字高湯33
TEL/024-591-1121
http://www.takayu-azumaya.jp/
チェックイン 14:00〜・チェックアウト 〜10:00
※チェックイン時に内風呂「古霞」・貸切風呂ご利用のご予約を承っております
日帰り入浴/無
[温泉の利用形態]
天然温泉
[アメニティ]
シャンプー、リンス、ボディソープ、ドライヤー
[交通のご案内]
■東北自動車道
福島西I.Cから国道115号線〜県道5号線16km(約20分)
■福島交通路線バス
JR福島駅西口から「高湯温泉」行・「高湯」下車(約40分) 徒歩1分



■胡々里庵(ここりあん)

高湯温泉の麓にある蕎麦屋の人気店。石臼挽きの会津産の地粉に吾妻山の伏流水を使用した9割蕎麦は、喉越しがよく更科風の細め。セットメニューや単品、デザートも充実している。
住所/福島県福島市在庭坂字栃清水12-16
TEL/024-591-5571
営業時間/11:00〜売切れ次第終了(日曜営業)
定休日/木曜(祝日の場合は営業)
駐車場/有


posted by yusanjin at 14:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする